天気予報などで、今日は啓蟄です、立夏です等という言葉を耳にされておられる二四節気(にじゅうしせっき)と言うのがあります。これは、1年を12の節と12の気(中気)を用い、節と気を交互に配分し1年の経過を表してあるものです。当方では、黄道(こうどう・おうどう)を角度で按分する定気法(ていきほう)を採用しています。(図2)
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その起点となるものは、地球から見た、仮想天球上の太陽の1年の経路=黄道と、同じく天空上の赤道との交差点2か所に、0度=春分、180度秋分と定め(図1)、更にそれぞれの区間を15度ずつ12等分し、通算24分割した各分岐点に、12の節と12の気を交互に配分してあるもので、1年の12か月には、それぞれ節と気が一つずつ配分されることになり、この12組の節気を12の形象で順に表したものが十二支月です。
更にこれらを四季に分配すると、一つの季には3つの節と気が配分されますが、月の切り替わりの起点は「節」ですので、この時点で二四節気の[気(中気)」は考察から外しても差し支えありません。立春の黄経315度の地点から黄道を4等分し、立春から90度ずつ進んで、45度に立夏、135度に立秋、225度に立冬を各季節の切り替わりとされています。なお当方では立春を一年の初めとする説を採用しています。(図3) |
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立春から立夏までを春、立夏から立秋までを夏、立秋から立冬までを秋、立冬から立春までを冬とし、立春・立夏・立秋・立冬、これらの四立の切り替わりの前に、土旺を配して1年を巡らせ、四立前土旺と称しています。
これを五行で表わすと、木ー土ー火ー土ー金ー土ー水ー土となり、360度を5つに分けると、72度ずつ(陰陽で2等分すると36度ずつとなります。)、土は72度をさらに4等分し18度ずつに分けて、四っつの立(立春・立夏・立秋・立冬)の前に按分します。
一年は、先ず立春(黄経315°)から始まり、木が盛んに成り(陽干甲の時季315°〜351°まで)、やがて衰え(陰干乙の時季351°〜27°)、土旺(27°〜45°)に入り、黄経45°で火に切り替わり、火が盛んに成り、火が衰え、土旺に入りを繰り返し、木旺→土旺→火旺→土旺→金旺→土旺→水旺→土旺と巡り、五行のうち土気は、陰支の丑・未月に己土を 陽支の辰・戌月には戊土を配し、蔵干の按分が完成し、この時点で一二支月は不要となります。以上の十干を角度按分すると(図4)のようになります。 |
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従って、寅・巳・申・亥月の蔵干は、各々甲・丙・庚・壬のみ。
卯・午・酉・子月の蔵干は、卯月を例にとると甲の時季6°と、乙の時気24°にハッキリと差分されます。
辰・未・戌・丑月の蔵干は、辰月は乙木の時季が12°と戊土の時季18°比率にして2:3に分かれ、以下同じ比率で、未月は丁火の時気と己土の時季、戌月は辛金の時季と戊土の時季、丑月は癸水の時季と己土の時季にこれも明確に差分されます。
よって従来の蔵干の考え方にある。申月の蔵干に(己・戊・壬・庚)はありえず、庚金のみとなります。また、丑月の蔵干は(癸・辛・己)ではなく、癸水の分野と己土の分野に分かれ、これらが混在することはあり得ない事に成り、この観点からも燥湿の考え方は採用していません。
なお、この蔵干按分は、月柱、日柱、時柱の蔵干の考え方にも適用します。
よって、十二支の蔵干を表記すると以下の様に成ります。 |
子 |
丑 |
寅 |
卯 |
辰 |
巳 |
午 |
未 |
申 |
酉 |
戌 |
亥 |
壬 |
癸 |
甲 |
甲 |
乙 |
丙 |
丙 |
丁 |
庚 |
庚 |
辛 |
壬 |
癸 |
己 |
乙 |
戊 |
丁 |
己 |
辛 |
戊 |
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●具体的に四柱の蔵干を決定する場合。
地方時差、均時差を計算して出した真太陽時の生年月日時「2009年6月28日19時10分」の場合。視黄経約96°の位置となります。(図5)
干支歴に書き換えると、己丑年 庚午月 甲辰日 甲戌時となり、蔵干は2009年己丑の6月28日ですから、年の蔵干は癸水の領域、月の蔵干は丁火、日柱甲辰は、19:10なので、辰の蔵干戊土の領域、時柱は、戌時のの辛金の領域となります。 |
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ソフトで命式を算出すると下記と成り、実際に鑑定で使用するのは、天干と蔵干のみで判断していく事に成ります。
2009年6月28日18時37分 性別/男 年齢/0歳
大運交替/約7歳3カ月12日 交替年月/丙年戌月
己 丑(癸) 大運 庚午
庚 午(丁) 7 己巳
甲 辰(戊) 17 戊辰
甲 戌(辛) 27 丁卯
37 丙寅
47 乙丑
57 甲子
67 癸亥
77 壬戌
87 辛酉
97 庚申 |
上記に関連し、大変解りやすいサイトを見つけましたので、ここにリンクしておきます。
何故、蔵干に中期を採用しないのかが更にお分かり頂けるかと思います。
関連項目の時差調整もご参照ください。
(※以下動画の為、表示に時間を要します。)
【新版 中学校理科 2分野 上】
http://www.city.itako.lg.jp/ayame/ayame/index/index.htm
・ 四期の星座はなぜ移り変わるのか
http://www.city.itako.lg.jp/ayame/ayame/index/001/01.htm
・ 黄道12星座と地球から見た太陽の1年の動き
http://www.city.itako.lg.jp/ayame/ayame/index/001_a/nisitop.htm
・ 太陽はなぜ天球上を動いて見えるのか
http://www.city.itako.lg.jp/ayame/ayame/index/003/earth02.htm
・ 季節の変化はなぜ起こるのか
http://www.city.itako.lg.jp/ayame/ayame/index/004/jikken.htm
・ 太陽の南中高度と地軸の傾き
http://www.city.itako.lg.jp/ayame/ayame/index/005/koudo.htm
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